ペットフード大量リコール問題続報
ペット経営:JUNE2007 掲載
【海外ペットニュース 北米】
メラミン混入によるペットフードの大量リコール問題が発生し2ヶ月以上が経過した。5月25日現在、米食品医薬品局(FDA)には腎臓障害によるペットの不信死の報告が1万件近く寄せられており、飼い主が次々とメーカーを相手取り訴訟を起こす事態に発展している。訴訟の数は個人と集団を合わせ50件以上に上っている。また、メラミンの混入したペットフードの副産物が豚や鶏の餌に使用されていたことが分かり、食品の安全が脅かされる事態に国民の不安が高まっている。米上下両院では政府に対し中国政府により厳しい規制を求めるよう圧力がかけられ、米政府は24日、中国政府に対し食品などを米国に輸出する企業の登録を要請。FDAも予防対策に力を入れることを表明した。
米国内ではペットフードの安全に対する不信感から、自ら素材を選んでフードを作る飼い主や無添加オーガニックフードに切り替える飼い主が増えているという。
鶏2000万羽の餌にも混入か=ペットフード汚染拡大
時事ドットコム:5月5日14:00 配信
【ワシントン4日時事】
米メディアは4日、米国内で最大2000万羽の鶏が工業用物質メラミンに汚染された餌を与えられていた可能性があると報じた。農務省は、食肉処理業者に対し、確認が終わるまで自主的に出荷を控えるよう指示。早ければ週明け7日にも検査結果が判明するという。
同省では、汚染された鶏の肉を食べたとしても人体に害を与えるリスクは極めて低いとみている。メラミンによるペットフード汚染が家畜用飼料にまで大規模に広がっていることが確認されれば、混乱が拡大する恐れもある。
米ペットフード禍、中国産の食品に強い警戒感
フジサンケイ ビジネスアイ:4月13日8:34 配信
【高まる安全基準強化の声】
毒物が混入したとみられる中国産小麦を原料に使ったペットフードを食べて、米国の犬と猫16匹が腎不全にかかって死亡したほか、約1万匹のペットが嘔吐(おうと)や食欲不振などの異常を訴えた事件が起こり、中国製の食品への不安が広がっている。中国では農薬使用の規制が少ないのに加えて、中国産の果物や野菜の輸出量が世界全体の12%を占めているためだ。米国などから今後、中国に対し、食品の安全基準見直しを求める声が強まることは必至だ。(相馬勝)
このペットフードはカナダ・トロントのメニュー・フーズ社が製造したもの。同社では苦情が殺到したため、昨年12月3日から今年3月6日までに米カンサス、ニュージャージー両州の2工場で製造された犬猫用フード95種、約6000万点を回収する騒ぎになった。
ニューヨーク州食品安全当局によると、死んだ猫が食べた製品から、殺鼠剤に使用される「アミノプテリン」が検出されたという。米食品医薬品局(FDA)当局者は米紙、エーシャン・ウォールストリート・ジャーナルに対し、中国から輸入した小麦にアミノプテリンが混入していた可能性が高いと明らかにしている。
アミノプテリンは酵素阻害剤の一種で、米国で抗ガン剤のほか人工中絶を目的に使われたこともあるが、胎児の先天異常を引き起こす副作用があり、現在は処方されていない。
これに対して、中国の食物の品質検査を統括する中国国家質量監督検査検疫総局(質検総局)は中国から米国やカナダに、ペットフード原料として小麦を輸出したことがないとして、ペットフードの毒物の原因が中国産小麦であるとの指摘を否定している。
しかし、同社に小麦を卸しているチェムニュートラ社は同紙に対して、メニュー・フーズ社への小麦は中国江蘇省の徐州安営生物技術開発有限公司から購入したと言明。同公司の責任者は「小麦は他の国を経由して米国に運び込まれた」と同紙に語ったという。
米農務省によると、米国向けの中国産食品の輸入額は1980年の1億3300万ドルから、昨年には22億6000万ドルと26年間で17倍にも増えている。しかし、FDAによると、先月1カ月だけでも、中国から米国向けの食品を積んだ船舶215隻が食品の安全性に危険性があるとの理由で陸揚げを拒否されている。
とはいえ、すべての中国の船舶を検査することは物理的に不可能で、ほとんどが簡単な検査だけで陸揚げされているという。
日本では2002年に、中国産ほうれん草から基準量以上の農薬が検出されたことから、輸入停止措置がとられたことがある。また、中国保健省によると中国で05年、毒物が混入された食品が原因で9021人が食中毒にかかり、235人が死亡。また、人口の4分の1に当たる3億人が、食品が原因による病気にかかっているという。
このため、米国などで今回のペットフード禍を契機に、「米国で中国産の食品に対して警戒が強まりそうだ」と同紙は指摘している。